作品図版
国宝《竜首水瓶》飛鳥時代・7世紀 銅製鋳造鍍金・鍍銀 全高49.9cm 胴径18.9cm
東京国立博物館

国宝《竜首水瓶(りゅうしゅすいびょう)》飛鳥時代・7世紀

1.作品解説

 水瓶とは、水を入れる容器のことです。これは銅で作られ、その上に銀や金でメッキをしています。容器の一番上の部分が、竜の頭の形をしています。「竜首」と題名についていますが、頭に続く竜の首はどこか分かるでしょうか。まっすぐ下に伸びた太い水瓶の首の部分をそれと思う人も多いのですが、実は細い把手が竜の首なのです。把手に、竜のうろこのようなもようが彫られ、また竜が体をひねっているように把手がねじれていることでもそれと分かります。 丸く膨らんだ胴の部分には、金色のペガサスが4頭、線彫りで表されています。竜とペガサス、ちょっと不思議な取り合わせです。

 では、水を入れたり注いだりする時は、どのように使うのでしょうか?よく見ると、把手の付け根と竜の首をつなぐところが蝶番になっていて、竜の口が大きく開くようになっています。下顎が注ぎ口の形をしているのです。

○解説リンク

2.キーワード

キーワード:文化の比較(中2・3)
「なぜ竜とペガサスがいるの?」

○キーワードにつなげるヒント

 タイトルにもある竜は、すぐに発見できるモチーフですが、ペガサスは、よく見ないと分かりません。竜の他にも動物のモチーフがある、と観察を誘ってみてください。また、竜とペガサスがもともとどこに起源をもつモチーフなのか、知らない生徒も多いと思います。竜、ペガサスをどこで見たことがあるか(神話的モチーフを用いたゲームなどがあがるかもしれません)、丁寧に鑑賞者の既存の体験と作品を結びつける問いかけをしてみましょう。

○こどもの声

「細いところ(把手)が竜の首っていうか、体だと思う。ねじれているから」(小学6年)

○作品の背景

 このように丸い胴をもった器の形は、もともとはペルシア(現在のイラン)で作られました。ペルシアで生まれたかたちの器に、中国の想像上の動物である竜とギリシア神話のペガサスがモチーフとして登場し、東西の文化の交流を見ることができます。


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