作品図版 作品図版
雪舟等楊(1420-1506?) 国宝《秋冬山水図》室町時代・15世紀末~16世紀初 紙本墨画 本紙 各47.7×30.2cm (2幅)
東京国立博物館

雪舟等楊 国宝《秋冬山水図(しゅうとうさんすいず)》室町時代・15世紀末~16世紀初

1.作品解説

 今から500年ほど前、室町時代の画家雪舟が墨で描いた2枚1セットの風景画です。右が秋、左が冬の景色とされています。

 どちらも、画面の下から上に向かって、岩や木、道などの作り出すラインを辿っていくと、ジグザグに目が導かれます。気がつくと画面上部の遠景にまで目が運ばれ、奥行きのある空間が表現されていることがわかります。

 また、岩肌を描くちょっとかすれたような勢いのある筆の線や、くっきりと太い線、カサカサとした薄い線、淡くひょろひょろとひかれた遠景の線など、それぞれのモチーフやその置かれた位置に合わせてバリエーション豊かな線を使い分けている点にも注目です。

○解説リンク

2.キーワード

キーワード:日本文化(中1)
「理想の風景と水墨表現」

○キーワードにつなげるヒント

 ここはどこだと思うか、よその国なのか、日本なのか。地形、植物、建物、なんとなくの雰囲気、描き方…さまざまな要素から考えてみましょう。

○作品の背景

 室町時代の水墨画は、主に中国の宋時代から元時代までの作品をお手本に描かれていました。 水墨山水画は、モチーフも描き方も、中国の影響を色濃く受けていました。山水画の多くは、こんな場所に住みたい、訪れたい、という理想の風景を描いています。「どこでもない、理想の風景(中国風)」というのが、この時代の日本では好まれていたわけです。この風景が、あまり日本風に見えないという印象を持ったとしたら、ある意味ではこの時代の日本文化の空気を感じ取ったということかもしれません。


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