作品図版
青森県つがる市木造亀ヶ岡出土 重要文化財《遮光器土偶》縄文時代(晩期)・前1000年~前400年 高36.7cm
東京国立博物館

青森県つがる市木造亀ヶ岡出土 重要文化財《遮光器土偶》縄文時代(晩期)・前1000年~前400年

1.作品解説

 土偶とは、縄文時代に、土を焼き上げて作られた(主に女性の)人形のことです。「偶」という字には、「人の形に似せたもの」という意味があります。はれぼったくて大きな目をつぶったような、不思議な目元です。北方民族が雪のまぶしさから目を守るためにかけた遮光器具(細いスリットを通して見るスノーゴーグルのようなもの)に似ていることから、遮光器土偶という名前で呼ばれるようになりました。頭の上部には、冠状の装飾がついています。体の表面は、線を彫りこんだり、棒のようなもので穴を突いたり、縄を転がしたりして作ったさまざまな模様がついています。衣服の縁取り、あるいはネックレスなどの装身具にも見えるような線も確認できます。他には太く短い手足、張った肩、どっしりとしたプロポーションなども特徴でしょうか。

○解説リンク

2.キーワード

キーワード:論理性(小5・6)
「女性?男性?なぜ欠けているの?」

○キーワードにつなげるヒント

 くびれた胴部、胸の表現、大きく張った腰など、体の特徴を観察していきます。その上で、「これは男性だと思うか、女性だと思うか。どこを見てそう思ったのか」と、観察結果に基づいた理由づけをしつつ発言を促します。張った肩やどっしりした体つきなどを理由に、男性と思う生徒もいるかもしれません。他にも土偶の図版を用意し、土偶全般が女性といわれることの多い理由を探るために、共通する身体特徴を挙げてみてもいいかもしれません。なぜ足が欠けているのかについては、欠損部分の形状から故意に欠いたように思われる土偶が多いことにも言及してみると、その理由を考えるきっかけになるかもしれません。

○こどもの声

「おなかが細い。くびれている」(小学6年)

「足がない。土の中で折れてしまったのではないか」(小学6年)

○作品の背景

 体の形をさらに見ると、くびれた胴部、胸の表現、大きく張った腰など、女性の特徴を捉えているようです。女性は子どもを産むことから、土偶には豊穣や多産を祈る意味合いがあったとも言われています。 この土偶もそうですが、体の一部(脚の一方など)を意図的に壊したようなものが多いので、これも女性のもつ「生命を生み出す」イメージと重ねて、怪我や病気の快癒を願い、あるいは災厄をはらうために作られたものではないかとも言われています。展示室では見えませんが、ちょうどその壊れたところから中を覗き込むと、この土偶は中空になっていることが分かります。見た目のボリューム感よりも、持つと軽いであろうことも想像できますし、またこれだけの大きな形を薄く作るための高い技術があったことも分かります。


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