作品図版 作品図版
岩佐又兵衛(1578〜1650) 重要文化財《洛中洛外図屏風(舟木本)》江戸時代・17世紀 紙本金地着色 各 162.7×342.4cm (六曲一双)
東京国立博物館

岩佐又兵衛 重要文化財《洛中洛外図屏風(舟木本)》江戸時代・17世紀

1.作品解説

 京都の中心部を俯瞰して描いた屏風です。 左上から右下へ斜めに流れる鴨川が、左右の画面をつないでいます。老若男女、たくさんの人びとが暮らすさまが、生き生きと描かれています。たとえば、右隻の中央やや左手にかかる大きな橋を見てみましょう。お花見の帰りなのか、浮かれ騒いでいる集団が橋を渡っています。最後尾には両脇を抱えられ、酔いつぶれた男。その前を、扇や桜の枝を持った人たちが踊りくるっています。この大騒ぎに、橋の下からは船頭さんが驚いて見上げています。かと思えば遊んでいる子どもたちがいたり、喧嘩をしている人たちがいたり、一人ひとりの顔の表情にまで注目してみると、あっという間に屏風の世界に引き込まれてしまいます。描かれている人物はおよそ2500人におよぶそうです。人びとをつぶさに見る以外にも、 三十三間堂清水寺八坂神社五条大橋二条城祇園祭など、今も訪ねることのできる京都の名所や行事がどう描かれているかを見る楽しみ方もあります。このような「洛中洛外図」という画題の屏風は多く描かれ、100点ほどが残っているそうです。

○解説リンク

2.キーワード

キーワード:中に入る(小3・4)
「屏風の中の世界を歩く」

○キーワードにつなげるヒント

 この作品は、圧倒的な数の人物や出来事が描かれており、どの細部からでもすぐにその世界に引き込まれてしまいます。一カ所でも興味を引くところがあれば、その隣、そしてまた隣へと目線が誘われるでしょう。さらにじっくりと見るならば、「動物」「喧嘩をしている人」「楽器を持っている人」「お坊さん」など、きっかけになるお題を決めて、それに沿って見て行くこともできます。あるいは描かれている人物に吹き出しを添えてセリフをつけてみると、より想像が膨らみ、屏風の世界に没入することができるでしょう。

○作品の背景

 (描かれている場所の説明)右隻の右下には三十三間堂、第3扇の上端に目をうつすと清水寺の舞台が見えます。そのすぐ左には八坂神社、知恩院が続き、そのすぐ下の大きな橋は、鴨川にかかる五条大橋です。そのまま左隻にうつると、大きな丸い紙風船のようなものが見えますが、これは祇園祭でねり歩く人物が担いでいる幌です。右下には東寺、中央に西本願寺、そして左隻の左端、城壁に囲まれた大きなエリアは二条城です。


このページのトップへ戻る