作品図版 作品図版
長谷川等伯(1539-1610) 国宝《松林図屏風》安土桃山時代・16世紀 紙本墨画 各 156.8×356.0cm (六曲一双)
東京国立博物館

長谷川等伯 国宝《松林図屏風(しょうりんずびょうぶ)》安土桃山時代・16世紀

1.作品解説

 6枚のパネルがつなぎ合わされた屏風が2枚で1セット(六曲一双)になったものです。墨一色で松林が描かれています。遠くからみると、松が数本ずつ、4つほどのかたまりとして見えてきます。淡く描かれた松は、少し遠く、霧の向こうにあるのでしょうか。右隻には向かい合うように傾いた木が配されています。そのあたりの地形は谷間のようになっているのかもしれません。左隻の右手奥には、うっすらと白い山のシルエット。雪山だとすれば、気温は寒そうですね。よく見ると、紙を継いだあとの横線が、パネルごとにずれています。そのため、この作品は下絵として描かれたものが屏風に仕立てられたのではないかとも言われています。謎の多い作品です。

○解説リンク

2.キーワード

キーワード:中に入る(小3・4)
「この中にはどんな風が吹いている?」

○キーワードにつなげるヒント

 描かれているモチーフはほとんど松の木のみという、とてもシンプルな屏風です。その分、墨の濃淡や筆のかすれたタッチ、松の木の配置などの細かい点を見ていくと、それが遠近感や距離感をうまく生み出していることに気づきます。ただ、細かい点に注目するのはあとにして、まずは何も予備知識のない状態で、素直にこの屏風の中に入ってみましょう。視覚に加え「どんな音がするか」「どんなにおいがするか」など、五感に訴える発問で、直感的に屏風の世界に没入するきっかけとします。あるいは、季節、天気、時間帯なども推測し、そう判断した理由も絵の中に探ってみます。縮小版の「松林図屏風」を制作し、左右を入れ替えてみたり、自分の好きな配置や折り方を試してみてもいいでしょう(パネルのつなぎ目を紙蝶番できちんと作ると、どちら側にも曲げられるようになります)。一双の屏風で鑑賞者を挟み込んでみるなど、さまざまな配置を試し、ぐっと頭を近づけて、小さい自分になって屏風の世界に入り込んでみましょう。

○こどもの声

「風がふいているみたい。動いてみえる」「涼しいところだと思う。暗くて夕方みたいだから」(小学生)


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