作品図版
モーリス・ドニ(1870-1943)《雌鶏と少女》1890年 油彩/カンヴァス 82.5 x 67 cm
国立西洋美術館

モーリス・ドニ《雌鶏と少女》1890年

1.作品解説

 両手を胸の高さにあげて立つ少女の足元には、一羽の雌鳥がいます。少女は、雌鳥を捕まえようと、覚束ない足取りでそっと雌鳥の方へ近づいて行くかのように見えます。

 ドニは、1890~91年の一時期、対象の色彩を絵の具の点に分解して描く点描技法による作品を制作しました。この絵は、そうして描かれた作品のひとつです。モザイクのような大きな点は、装飾的な効果を高めています。また、両手をあげた少女のポーズは、宗教的な礼拝像を想起させるようにも見え、日常的な光景の中に、ほのかな神秘性を感じさせる作品です。縦長の画面や右隅の縦書きのサインには、日本美術の影響が見られます。

○解説リンク

2.キーワード

キーワード:文化の比較(中2・3)
「縦書きのサイン」

○キーワードにつなげるヒント

 「縦書きのサイン」は、明らかに西洋にはない文字の書き方です。そこに日本の影響を確認したら、他にも日本美術の影響を感じられる部分がないか話し合ってみましょう。掛け軸など、具体的な作品と比較すると、その影響関係と特徴はわかりやすくなるでしょう。

○子どもの声

「てんてんで描いてる」(小4)

「この子の顔、ちょっと不気味」(小5)

「にわとりを捕まえようとしている」(小5)

「文字が縦に書いてある」(小5)

○作品の背景

 ドニは、芸術における装飾性を重視するナビ派を代表する画家のひとりです。ナビ派誕生のきっかけとなったのは、日本の浮世絵の平面性や色彩に影響を受けたゴーガンの教えでした。また、敬虔なカトリック教徒であったドニは、宗教的主題の作品を多く制作しました。


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