作品図版
エドワールト・コリール(1643頃-1710)《ヴァニタス-書物と髑髏のある静物》1663年 油彩/板 56.5 x 70 cm
国立西洋美術館

エドワールト・コリール《ヴァニタス-書物と髑髏のある静物》1663年

1.作品解説

 この絵は、人生のはかなさや、虚栄の空しさを象徴するモチーフを集めて描いた、ヴァニタス(ラテン語で「空虚」、「むなしさ」を意味する)と呼ばれる静物画です。机の上には、髑髏(人間の死すべき定め)、火が消えたばかりで煙がのぼる燭台・時計・砂時計時(人生の短さ)、倒れたグラスや縦笛(「空ろ」や快楽の「空しさ」)、財布や書物(現世の富や学問の「虚しさ」)などが所狭しと置かれています。前景中央の紙片には聖書の『詩篇』第26章の一節が引用されていて、この絵が伝えるメッセージが要約されています。

 画家コリールは17世紀後半のオランダで活躍し、現世のはかなさや虚栄に対する警告としてのヴァニタス画を得意としていました。

○解説リンク

2.キーワード

キーワード:内省(中1)
「象徴性」

○キーワードにつなげるヒント

 生徒自身の経験や知識に基づいて、個々のモチーフから思い浮かぶ言葉や考えを話し合ってみましょう。具体的な事物からイメージするものは、他者と共通することもあれば、自分独自のものであることもあります。こうした活動は、自分を見つめることにもつながっていくでしょう。

○子どもの声

「うすきみわるい、不気味な感じ」(小5)

「すごい迫力がある」(小5)

「リアル」(小6)

「机のうえのものを持っていた人が死んでガイコツになった」(小4)

○題名を考える

「海賊の宝」(小6)

「科学実験室」(中1)

「少年の夏の思い出」(24才)

○作品の背景

 ヴァニタスとは、永遠の神の世界に対して、現世の虚しさを説く概念で、16~17世紀にかけてのフランドルやネーデルラントなどで流行しました。骸骨、砂時計、シャボン玉のように、はかなさを直接表現するモチーフだけでなく、財宝、音楽、豪華な食事といった五感で楽しむものも、逆説的な意味でこの概念と結びついて描かれました。


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