作品図版
撮影: ⓒ 上野則宏
オーギュスト・ロダン(1840-1917)《考える人》1881-82年(原型)/1902-03年(拡大) ブロンズ鋳造 186 x 102 x 144 cm
国立西洋美術館 松方コレクション

オーギュスト・ロダン《考える人》1881-82年(原型)/1902-03年(拡大)

1.作品解説

 裸の男の人が岩の上に坐り、右ひじを左膝の上につき、右手の甲に顎をのせてうつむいています。眉間にしわを寄せ、硬い表情をして何を考えているのでしょうか。

 これは、フランスの彫刻家ロダンが制作した《考える人》です。1880年、ロダンはパリに建設される予定だった装飾博物館の門扉の制作を依頼されます。そこで、彼はイタリアの詩人ダンテが書いた叙事詩「神曲」をテーマにして、地獄で苦しむ人々の姿を表した《地獄の門》を制作しました。《考える人》は、この門の上部中央で地獄を見下ろす場所に置かれていました。この《考える人》は、《地獄の門》から切り離して拡大した作品です。拡大されることによって、手、足、背中や腕の筋肉などがより誇張されて、見る人に力強い印象を与える作品となっています。

○解説リンク

2.キーワード

○子どもの声

「何か悩んでいるように見える」(中1)

「手の力は抜けているのに、足には力を入れて踏ん張っている」(中1)

○作品の背景

 ロダンの《考える人》は、《地獄の門》の上部中央で地獄を見下ろす像として制作されました。当初、この像は『神曲』の作者ダンテを表していました。しかし、門から切り離されて単独の像として発表されたことで、《考える人》はより広い意味で「思索」する人、あるいは「創造者」として、普遍的な意味での「考える人」へと変わっていきました。


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