作品図版
ギュスターヴ・クールベ(1819-1877)《罠にかかった狐》1860年 油彩/カンヴァス 81.5 x 100.5 cm
国立西洋美術館 松方コレクション

ギュスターヴ・クールベ《罠にかかった狐》1860年

1.作品解説

 後景には木立の幹と下生えが、画面手前のうっすらと積もった雪の下には枯れ草が透けて見えています。狐のなめらかな毛並みと、ざっくりとした雪の触感が、パレットナイフを効果的に使い分けることで写実的に描かれています。追いつめられた狐の痛みと孤独が、白と茶色の強いコントラストによって見るものに伝わってくるようです。この臨場感溢れる場面の表現は、狩猟を趣味としていたこの絵の作者クールベ自身の体験に基づいています。クールベは、人物画、風景画、静物画など多くの主題を手掛けましたが、狩猟はこの画家特有の主題のひとつでした。

○解説リンク

2.キーワード

キーワード:物語(小3・4)
「何が起きたの?」

○キーワードにつなげるヒント

 罠に足を挟まれ、驚きと痛みに目をむく狐が描かれています。狐の顔、地面の雪、周囲の木立など、描かれているものを観察して物語をつくってみましょう。何に注目して、それをどう解釈するかによって、様々な物語が生まれてきます。

○子どもの声

「雪のあいだから、土と草がのぞいているから、今はきっと秋の終わりか、冬のはじめなのかもしれない」(小3)

「きつねが本物のようで迫力がある」(小4)

「雪がちょっととけてきているから、春がちかづいてきている。冬眠からさめたきつねがエサをさがしにきて、罠にひっかかったのだと思う」(小5)

「悲しそうな目で、助けを待っている」(小5)

○作品の背景

 モチーフを美化して描く当時の画壇に対し、クールベは見たものをありのままに描くことをよしとしていました。また、神話や歴史上の出来事ではなく、普通の人々の生活や風景を好んで描きました。1855年に開いた初めての個展の目録に記したクールベの文章は、後にレアリスム宣言と呼ばれるようになり、19世紀の写実主義を牽引する画家の一人として活躍しました。


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