作品図版
マックス・エルンスト(1891-1976)《石化した森》1927年 油彩/カンヴァス 81 x 99.6 cm
国立西洋美術館

マックス・エルンスト《石化した森》1927年

1.作品解説

 うっそうとした森の中には、梯子のようなものをはじめ、絡まり合う紐のような線縄目がついた幹が描かれ、木々の枝に引っかけた輪のような太陽が見えています。エルンストにとって「森」は「鳥」と同様に重要な主題の一つでした。彼は生涯を通じて「森」を繰り返し描きました。この作品は、1925年から28年にかけて制作された「森と太陽」のシリーズの一つです。

 エルンストは森に相反する感情を抱いていました。彼が語った「森」に関する文章は、「歓喜と息苦しさ」、「自由と囚われ」、「期待と不安」といった対照的な言葉で綴られています。

○解説リンク

2.キーワード

キーワード:プロセス(小3・4)
「どうやって描いたのだろう?」

○キーワードにつなげるヒント

 自分が知っている森と描かれた森を比べると、作品の細部を注意深く見るようになります。フロッタージュは、子どもの遊びとしても一般的なものなので、細部のマチエールが見えてくると、どのようにして描いたかすぐに想像ができるでしょう。鉛筆や筆との違いやその効果について話し合うことで、自身の創作に繋げることもできます。

○子どもの声

「梯子がある」(小4)

「やったことあるよ。10円玉とかに紙のせてこするの」(小5)

「死んだ森」(小5)

「汚染されて枯れちゃった森」(小6)

「不安の中にも何か惹きつけるものがある」(中1)

○作品の背景

 彼は、1925年頃からフロッタージュの技法を使い作品の着想を得ていましたが、この技法を油彩画に応用したのがグラッタージュの技法です。彼は、カンヴァスに塗られた絵の具をパレットナイフで削りとることによって、その下にある物の質感を転写しました。エルンストは自ら案出したこの技法を、文学における「自動筆記」に匹敵する、絵画におけるシュルレアリスム的手法として、自己の内面世界を表現するのに利用しました。


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