作品図版
ヴィルヘルム・ハンマースホイ(1864-1916)《ピアノを弾く妻イーダのいる室内》1910年 油彩/カンヴァス 76 x 61.5 cm
国立西洋美術館

ヴィルヘルム・ハンマースホイ《ピアノを弾く妻イーダのいる室内》1910年

1.作品解説

 画面の手前には、楕円形のテーブルと一脚の椅子が描かれ、テーブルの端には空っぽの銀色の皿が置かれています。テーブルの右後ろには、四角いテーブルとその向こうには本棚と壁に掛けられた絵が見えます。両開きの扉の奥には、こちらに背を向けてピアノの前に女性が座っています。画面左から差し込む光のなかに現われる室内には、静謐な空気がただよっています。

 デンマーク出身の画家ハンマースホイは、白と黒を基調にして、本作品に見られるようなモチーフが置かれた室内の光景を数多く描きました。

○解説リンク

2.キーワード

キーワード:中に入る(小3・4)
「どんな音が聞こえる」

○キーワードにつなげるヒント

 白と黒を基調とするモノトーンに近い色使いから、子どもはすでに部屋の雰囲気を感じているかもしれません。部屋の中に入ったところを想像して、室内の物、人、光の方向、周囲の色などを一つ一つ確認すると、より具体的なイメージが浮かび上がってきます。そこで、室内に響く音を想像して、そこで何が起きているかを話し合ってみましょう。

○子どもの声

「ピアノの音が聞こえる」(小4)

「なんか寂しい感じがする」(小4)

「寒そうな部屋」(小5)

○作品の背景

 ハンマースホイは1910年、コペンハーゲンのブレズゲーゼ25番地のアパートに移り、そこで暮らした3年間に、妻イーダのいる室内画を何点も制作しました。ハンマースホイが描く室内風景画に登場する人物は、人数も少なく後ろ向きであることが特徴の一つとなっています。テーブル、椅子、食器、ピアノなど同じモチーフを繰り返し、丹念に描いた室内画は、フェルメールなどに代表される17世紀オランダ絵画の影響をうかがわせますが、モノトーンに近い色彩から生み出される時が止まったような静かな世界は、ハンマースホイ独自のものと言えるでしょう。


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