作品図版
ジョアン・ミロ(1893-1983)《絵画》1953年 油彩/カンヴァス 200 x 200.7 cm
国立西洋美術館

ジョアン・ミロ《絵画》1953年

1.作品解説

 理性の支配を解き放ち、夢や自由な連想を重視するシュルレアリスムの影響を受けたスペインの画家ミロは、自然の中にある形を象徴的な記号に変えて作品に描きました。この作品でも、太陽のように見える記号が画面を構成しています。幼児が描いたような、どこか稚拙さをも感じさせる表現ですが、同時に、広々とした宇宙を想像させるような明るい雰囲気をかもし出しています。ミロの作品が多くの人に愛される理由は、彼が好んだ単純で原初的な造形が、自由な発想を促し、その時の気分や人によって異なる世界を連想させる楽しさがあるからかもしれません。

○解説リンク

2.キーワード

キーワード:発見(小1・2)
「何が見える?」

○キーワードにつなげるヒント

 画面に描かれた円、米印、線といった単純な形体は様々なモノに見える可能性を秘めています。個々の形が何に見えるか、どうしてそう見えたのかなどを話し合いながら見ると、連想が広がって、1枚の絵から色々な世界が見えてくるでしょう。

○子どもの声

「おひさま」(6歳)

「人の顔を横から見たとこ」(小4)

「太陽にじょうろで水をやっているとこ」(小5)

○感想文より

(前略)また、私がこの絵で、物語を作るとしたら、こんなふうになると思う。
「12月のはじめ、大そうじを始めた。そうじきで、部屋をそうじした。そして、太陽まで、すってしまった。するとまた太陽が、出てきた。私は『そうか、太陽は、こうやって、朝・夜が、変わるんだ』と言った。」(小5)

○作品の背景

 本作品と同じ1953年に、縦長の画面に緑色の三日月を描いた別の《絵画》が制作されてました。このことから、本作品は「太陽の世界」と「月の世界」というペアとして構想された作品の片方として描かれたと考えられます。そして、これが発展して1985年ユネスコ本部の陶壁画《太陽の壁》と《月の壁》が完成しました。


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