作品図版
撮影: ⓒ 上野則宏
アリスティード・マイヨール(1861‐1944)《夜》1902-09年(原型) ブロンズ鋳造 106 x 57 x 108 cm
国立西洋美術館

アリスティード・マイヨール《夜》1902-09年(原型)

1.作品解説

 腰をおろして膝を立て、膝に乗せた腕に顔をふせてうずくまる女性の像です。女性の体は、滑らかな曲線で表されています。丸めた背中から水平に伸ばされた両腕、結いあげた髪がのる球状の頭部三角形を形作るように折り曲げた両足など、単純化された形をつなぎ合わして調和と安定感のある姿が表現されています。見る者に静かで穏やかな印象を与える像です。

 40歳を過ぎてから彫刻に専念するようになったマイヨールは、裸婦をモチーフに、この作品のような単純で構築的な形体の作品を制作しました。

○解説リンク

2.キーワード

キーワード:身体性(小1・2)
「同じポーズをとってみよう」

○キーワードにつなげるヒント

 本彫刻は床に置かれているので、周囲から、下から、上からと色々な角度から観察することができます。また、同じポーズをとることで、見ただけでは想像できなかったモデルの気持ちも実感することができるでしょう。人物の彫刻は、作品と一体化する身体性を伴う鑑賞に向いています。

○子どもの声

「大きな肩だね」(小5)

「悲しんでいるのかな」(小5)

同じポーズをとった後:「寝ちゃいそう」(小4)「なんか落ち着く」(小5)

離れて上から見下ろす:「女の人、一人ぼっちみたい!」(小4)「冬の夜かな?」(小4)

○作品の背景

 本作品は、1905年のサロン・ドートンヌに出品された大作《地中海》に続く、マイヨールの初期の彫刻の中では最も著名な作品の一つです。この作品には、石膏原型および石製の作品の他、当館のものも含め、12点の鋳造が知られています。

 フランスの近代彫刻史における圧倒的な影響力を持つロダンは、マイヨールを含むその後に続く彫刻家たちが意識せざるを得ない存在でした。ドラマチックで動きの激しいロダンの彫刻に対し、マイヨールは穏やかでシンプルな表現で自身の作風を確立しました。


このページのトップへ戻る