作品図版
加山又造(1927-2004)《春秋波濤》1966年 彩色、絹本 169.5×363cm
東京国立近代美術館

加山又造《春秋波濤》1966年

1.作品解説

 金が散りばめられた3つの山の間を、銀の線で表された波がうねっています。波は山よりも月よりも高く、その先には細く切った銀色の箔が集められ、水しぶきが輝いているようです。山を覆う桜と紅葉からは、春と秋というふたつの季節が感じられます。

 加山又造は京都の西陣織の図案家の家に生まれました。若い頃は動物をモチーフにした絵などを描いていますが、後に日本の伝統的な技法・表現を学び、それらを現代的に捉え直した装飾的な作品を多く制作しました。この作品にも、金属箔を小片や細い線状に切って散らす「切金(きりかね)」、「切箔(きりはく)」などの技法が使われています。

○解説リンク

2.キーワード

キーワード:文化の比較(中2・3)
「金の山、銀の波」

○キーワードにつなげるヒント

 四季の移り変わりや屏風という形式など、日本の伝統的な文化を要素とする作品です。他文化圏の作品など比較対象とともに鑑賞することで、特徴はよりわかりやすくなるでしょう。また、伝統的な表現や技法を用いていても、遠近法を無視した波や山をつくる桜紅葉は、デザインされた図案のようで現代的ともいえます。伝統的な文化を現代にどう取り入れるかを考えるきっかけとして鑑賞することもできるでしょう。

○作品背景

 四季をひとつの屏風に描く表現は、大阪金剛寺の《日月山水図屏風》からヒントを得たといわれています。20代のころに琳派の展覧会で俵屋宗達の《風神雷神図屏風》などを見て感動した加山は、1958年(31歳ごろ)から切金技法の指導を受けるなど古典的技法の習得に努めていました。この作品は、習得した技法をふんだんに使った屏風の大作のひとつです。

○こどもの声

「丸い星のような物がぼくは太陽だと思いました。また、春夏秋冬が絵の中にあるのでビックリしました。」(小3)


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