作品図版
大岩オスカール(1965-)《ガーデニング(マンハッタン)》2002年 油彩、キャンバス 227×555 cm
東京国立近代美術館

大岩オスカール《ガーデニング(マンハッタン)》2002年

1.作品解説

 縦2メートル、横5メートルを超える大きな作品です。ニューヨーク市マンハッタン地区の高層ビルを上空から見た風景のようですが、たくさんの花のようなものが浮かんでいます。それらは何かがはじけた瞬間や、広がる煙のようにも見えるかもしれません。また、画面中央を長い影が横切っています。

 大岩オスカールはブラジル生まれで、大学では建築や都市計画を勉強していました。卒業後は、両親が日本人だったこともあって、しばらく日本の建築事務所で働きながら、アーティストとしても活動していました。2002年からはニューヨークに活動の拠点を移しています。この作品は、ニューヨークに移り住んで間もないころに制作されました。

○解説リンク

2.キーワード

キーワード:現代の生活(中1)
「マンハッタンに浮かぶ花」

○キーワードにつなげるヒント

 鮮やかな色とりどりの花から、明るい、きれいなどの第一印象を持つでしょうか。あるいは、人影のない廃都市のような不気味さを感じる人もいるかもしれません。作品だけを見て行う自由な解釈のあとで、描かれた時代や舞台となった都市もふまえてディスカッションしてみましょう。私たちの現代社会での生活を振り返ることになるかもしれません。

○作品背景

 作者は、当時住み始めたばかりのニューヨークに「街はとても美しくて、人々はショッピングセンターやレストラン、ミュージカルに押しかけて、いつも賑わっているけれど、精神的には何かに怯えているような印象」を受けてこの絵を描いたそうです。また、この作品が描かれる直前の2001年には、アメリカ同時多発テロ事件(9.11事件)が起こっています。

○こどもの声

「ウイルスが蔓延した都市か、破壊された街。暗い世界が花によって浄化されて平和な明るい世界へと変わっていく」(小6)

「下の世界は、人の姿は見えないけれど、自分は絶対に住みたくないような暗くて殺伐とした大勢の人が働き住む大都会。そんな人たちの夢や希望が花のような形となって空に昇っていく。人の年齢や身体の大きさや個性が、それぞれの花の形や大きさの違いとなって表れている。だから上の世界は少し明るい感じがする。」(中学生)

3.実践例

○ギャラリートークで使用したワークシート

ワークシート作成:MOMATガイドスタッフ


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