作品図版
和田三造(1883-1967)《南風》1907年 油彩、キャンバス 151.5×182.4 cm
東京国立近代美術館

和田三造《南風》1907年

1.作品解説

 荒れた海の上、雲のかかる島を背に、4人の男が船に乗っています。たくましい体つきの男は堂々と立っています。頭に被っているシャツは風になびき、太陽がつくる影はくっきりとしています。煙草を手にした男の視線は上のほうへ、手ぬぐいを頭に巻いた男は顔を右のほうへ向けています。帽子の男は膝を抱えて座り、他の3人とは雰囲気が違うようです。

 和田三造は、19歳の頃に乗った大島通いの帆前船が難破し漂流したことがあります。この体験をもとに制作した作品です。嵐に遭遇したにも関わらず、描かれた男たちは荒れた海を力強く進んでいるようです。こうした勇壮さは日露戦争後の高揚した気分によく合って、当時評判を呼んだといいます。

○解説リンク

2.キーワード

キーワード:論理性(小5・6)
「海の上で何をしているんだろう?」

○キーワードにつなげるヒント

 「今、どこで何をしているところなのか」のディスカッションで鑑賞が深まる作品です。海や船、後ろの島など場所に注目すると、どんな場面なのか考えるヒントになります。また、船の上の4人の男は、それぞれの衣服やポーズが特徴的です。4人が「職業や性格、国籍など、どんな人物か」画面から理由づけをしながら考えたり、「リーダーは誰か」など4人の関係性について想像を広げたりするのもおすすめです。

○こどもの声

「海賊に負けたところ」、「(この人たちは漁師で)魚がぜんぜんとれなかった」(小5)

「後ろに島があるから漁師の4人組と思ったけど、ギリシャ人とかもいて国が違うバラバラな集団。海が荒れているから遭難か、戦争から逃げ帰ってきた人たちかも」(小6)

「一つの船に乗っている4人は全員人種が違う。地球最後の日の情景」(大学生)

3.実践例

萬鉄五郎《裸体美人》との比較鑑賞 中学3年生


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