作品図版
白髪一雄(1924−2008)《天慧星拚命三郎(水滸伝豪傑の内)》1964年 油彩、キャンバス 183×274 cm
東京国立近代美術館

白髪一雄《天慧星拚命三郎(水滸伝豪傑の内)》1964年

1.作品解説

 大画面に塗りつけられた、たっぷりの絵具。側面から見ると、盛り上がって見えるほどです。絵具は勢いよく引きのばされたのか、筆跡のような筋も見えます。

 白髪一雄は、指や掌で絵具をのばしたり、爪でひっかいたりする作品を経て、足を使って描く作風に至りました。キャンバスを床に置き、天井から吊るしたロープにつかまりながら絵具の上に足をすべらせて制作します。「情熱的に何でもええから自分の人間らしさというものをものすごく大きく表現したい」という考え方で取り組まれた作品群は、白髪自身の身体を用いた行為の軌跡ともなっています。

○解説リンク

2.キーワード

キーワード:プロセス(小3・4)
「どうやって描いたのだろう?」

○キーワードにつなげるヒント

 絵具や泥を手で撫でつけた経験のある子どもたちなら、この作品が「何を使って」「どのように描かれたのか」を考えたり、知ったりすることで制作過程を想像することができるでしょう。制作している最中の作家の気持ちになりきることもできるかもしれません。

○作品背景

 題名の「天慧星拚命三郎」は、中国の伝奇小説「水滸伝」に登場する108人の豪傑の内のひとりです。白髪一雄の作品には、他にも水滸伝の豪傑が題名となっているものがあります。

○こどもの声

「赤ちゃんが描いたみたいに自由。嫌なことがあって気持ちが爆発して、でも赤ちゃんと違って自分の思い通りに描いてる」(小3)

「床に置いて絵具をドバーッとのせてガーッと描いた」(小3)

・美術館へのお手紙より(小3)

 さいごに見た、《天けい星へん命三郎(水滸伝ごうけつの内)》を、はじめ、らくがきだと思いました。手でかいたと思いました。そうしたらスタッフさんが「足でかいた絵だよ!」と言ってくれたので足でかいたことがわかりました。スタッフさんが「白が一雄さんが絵書いた作品の題名を書いて」と言いましたね。ちなみに私は、「悪ぎない」です。


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