作品図版
高村光太郎(1883-1956)《手》1918年ごろ ブロンズ 38.6×14.5×28.7 cm
東京国立近代美術館

高村光太郎《手》1918年ごろ

1.作品解説

 5本の指が大きな空間を作り出しています。体の一部に過ぎない手ですが、多くを語りかけてくるようです。

 高村光太郎は、彫刻家・高村光雲の子として生まれ、やがて留学し欧米の近代美術から多くを学びました。なかでも近代彫刻の先駆者ロダンに啓発され、生命感あふれる作品を制作するようになります。この作品の手の形は、仏像の「手印」のひとつである、怖れを取り除く「施無畏印」(せむいいん)からヒントを得たといわれています。西洋近代彫刻の形と、東洋的な精神性とをあわせ持つような作品です。

○解説リンク

2.キーワード

キーワード:身体性(小1・2)
「同じ手の形ができるかな」

○キーワードにつなげるヒント

 子どもはこの作品の前に来ると、必ずといっていいほど同じポーズをとろうとします。実際にやってみるとても力が入ります。また、同じ手の形になったと思っても、他の角度から確認すると違って見えたりします。彫刻は360度から鑑賞でき、特に人体やその一部をモチーフとした作品は身体性を伴う活動に向いています。

○こどもの声

「自分の手だと思う。左手を見て右手で作った」(小4)

「大工さんの手」(小4)

「おじいさんの手、しわがあるから」(小4)

○作品背景

 大正時代は、普通選挙制度や言論・集会の自由を求める運動が活発に起こり、個人の意見を大切にしようという考え方が広まった時代です。この頃には、印刷や写真の技術が発達し、新聞・雑誌などを通じて、自分の考えを発表できるようになりました。高村光太郎も、彫刻家として活躍しながら、芸術についての考えを雑誌に発表していました。詩やエッセイなどもたくさん書き残しています。

・美術館へのお手紙より(小6)

 高村光太郎の《手》は、ビデオで見たよりもとっても大きかったのでびっくりしました。後ろのところから見たら、とっても手が長いかんじがしました。後ろから見ると、血管が見えたのでおこっているのかなと思いました。


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